N分N乗方式とは

最近、ニュースなどで話題の『N分N乗方式』についてお話したいと思います。
N分N乗方式とは、家族の所得を合算し家族構成に応じた除数Nで割って1人当たりの所得を算出します。
これに税率をかけた1人当たりの税額をN倍して世帯の税額を得ます。
累進課税の所得税では、所得を分割した方が適用する税率は低くなります。
子どもの数が多いほど、より低い税率が適用され税額も少なくなります。
先進国の中で出生率が高いフランスが導入しています。
フランスの場合、大人を1・子どもを0.5(第3子以降は1)として世帯の人数を計算します。
例えば夫婦と子ども2人の4人家族の場合、世帯所得を3で割った額が課税対象になり個人の所得に課税する場合より低い税率が適用されます。
結婚して配偶者を持つほど子どもの数が多いほど世帯の税負担額が少なくなるという税制です。
導入されれば、出生数の減少を食い止めるために期待が持てる制度にです。
N分N乗方式のメリット
最大のメリットは、少子化対策になることです。
1人より2人、2人より3人と子供(家族)が多いことで税負担が軽くなる仕組みのため、N分N乗方式の導入は少子化対策に効果があるのではないかと期待されています。
N分N乗方式のデメリット
①累進課税が機能しにくくなる可能性がある。
②所得が高い人たちでも、状況によっては税負担が軽くなる可能性がある。
③独身や単身者が不利になりやすい。
④課題が多く、導入までに時間が掛かる。
N分N乗方式の計算
それでは実際に計算して、比較してみましょう。
①課税所得が1,000万円の場合
課税される所得金額900万円から1,800万円未満
税率…33%
控除額…1,536,000円
①現行制度の場合
1,000万円×0.33(税率33%)=330万円 (扶養・控除制度は計算外)
所得税…330万円
①N分N乗方式の場合(夫婦+子ども2人世帯)
1,000万円÷4(N分)=250万円
250万円×0.1(税率10%)=25万円
25万円×4(N乗)=100万円 (扶養・控除制度は計算外)
所得税…100万円
①計算結果
現行税率33%からN分N乗方式税率10%になります。
現行所得税330万円からN分N乗方式所得税100万円になりました。
結果、所得税230万円の減税になりました。
子育て世代では、230万円が子育て・教育資金に使うことができます。
②課税所得が400万円の場合
課税される所得金額330万円から695万円未満
税率…20%
控除額…427,500円
②現行制度の場合
400万円×0.2(税率20%)=80万円 (扶養・控除制度は計算外)
所得税…80万円
②N分N乗方式の場合(夫婦+子ども2人世帯)
400万円÷4(N分)=100万円
100万円×0.05(税率5%)=5万円
5万円×4(N乗)=20万円 (扶養・控除制度は計算外)
所得税…20万円
②計算結果
現行税率20%からN分N乗方式税率5%になります。
現行所得税80万円からN分N乗方式所得税20万円になりました。
結果、所得税60万円の減税になりました。
子育て世代では、60万円が子育て・教育資金に使うことができます。
まとめ
すでに導入されているフランスでは出生率が1.96であり、日本は1.45と大きな差があります。
少子化対策問題は、現在の日本社会では大きな課題になっています。
日本政府が問題解決を急がなければならないのは、まぎれのない事実かと思います。
岸田総理大臣の提唱する『異次元の少子化対策』になるのか見守りたいと思います。

あと個人的には、130万円の壁とも関係していると考えています。

将来的には、扶養の概念を無くして第3号被保険者を減少していきたいのかなぁと思います。
配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除なども見直しされるかと思います。

扶養配偶者を減らして女性の社会進出を後押し、労働者人口を増やすのが政府の目的かもしれません。
我が家では、3人の子育てを行いました。正直、厳しかったです。
小学生までは問題なかったのですが、中学生高校生の時には貯蓄も出来ていかない状態でした。
こんな制度があれば、子育て・教育時代に家計の助けになったのではないかと思います。

若い子育て世代に優しい日本であってほしいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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