こんにちは。ブログ「家庭の経営」を運営しているあくあ(3級FP技能士)です。
私は今年56歳になりました。会社員として働き続けて28年以上。これまで「定年」という言葉は、どこか遠い未来の話のように感じていました。
でも、56歳になった今、はっきりと言えます。定年は、もう「現実」です。
残された時間は約4年。この4年間で何を準備しておくかで、退職後の安心感は大きく変わります。この記事では、私自身が今まさに実践している「定年前のお金の整理」を、実体験を交えながらご紹介します。
⚠️ 本記事について(免責事項) 本記事は、著者個人の体験と考え方をまとめたものであり、特定の金融商品・サービスを推奨するものではありません。退職金、年金、再雇用制度などは勤務先や個人の状況によって大きく異なります。具体的な判断は、最新の制度・規程をご自身でご確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・税理士・独立系FPなどの専門家にご相談ください。
なぜ「56歳」が準備のスタートラインなのか
「定年準備は60歳になってから考えればいい」
以前の私は、正直そう思っていました。でも、実際に50代後半に差しかかってわかったのは、収入の変化は60歳より前に始まるということです。
多くの会社では、定年前にこんな変化が待っています。
- 役職定年・給与制度の変更(50代後半で給与が下がるケースが多い)
- 再雇用契約への切り替え(雇用条件・働き方が大きく変わる)
- 退職金の計算基準の確定(給与が下がる前の水準で固定される場合も)
つまり、「60歳になってから考える」のでは遅いのです。収入が変わる前の今が、準備のラストチャンスだと私は考えています。
私の場合、58歳で給与が下がる予定があり、その後は時給ベースの働き方になる見込みです。だからこそ、収入が今の水準にあるうちに、やるべきことを整理しておくことにしました。
定年までのタイムラインを描く
最初にやったのは、「いつ・何が・どう変わるのか」を1枚の表にすることでした。
会社経営でいえば、中期経営計画のようなものです。家計も同じで、収入の変化が見えていれば、慌てずに対策が打てます。
わが家のタイムライン(一例)
| 年齢 | 起きること | 収入への影響 |
|---|---|---|
| 56歳(今) | 準備期間 | 現状維持 |
| 58歳 | 給与制度の変更 | 給与減 |
| 60歳 | 再雇用 or 退職の分岐点 | 働き方しだい |
| 65歳 | 公的年金の受給開始(原則) | 年金生活へ |
これはあくまでわが家の一例です。会社の制度によってタイミングも内容も変わりますので、まずはご自身の会社の就業規則・退職金規程を確認することから始めてください。
タイムラインを作って気づいたこと
表にしてみて、私が一番強く感じたのは、「60歳から65歳までの5年間」が家計の正念場になるということでした。
給与は下がる(または無くなる)のに、年金はまだ受け取れない。この期間をどう乗り切るかが、定年準備の核心だと気づきました。
やること① 退職金の「受け取り方」を確認する
退職金は、多くのサラリーマンにとって人生で最大級の収入です。それなのに、「いくらもらえるか」「どう受け取るか」を知らないまま定年を迎える人が意外と多いと聞きます。
まず退職金規程を読む
私も恥ずかしながら、50代になるまで退職金規程をまともに読んだことがありませんでした。確認すべきポイントは次のとおりです。
- 退職金のおおよその金額(人事に試算を依頼できる会社もあります)
- 計算基準となる給与はいつ時点のものか
- 受け取り方法の選択肢(一時金・年金形式・併用)
受け取り方で税金が変わる
退職金は、一時金で受け取るか、年金形式で受け取るかで、適用される税制が変わります。
- 一時金:退職所得控除が使える(勤続年数が長いほど控除が大きい)
- 年金形式:公的年金等控除の対象になるが、他の年金と合算される
どちらが有利かは、勤続年数・金額・他の収入によって変わるため、一概には言えません。ここは金額が確定する前に、一度シミュレーションしておく価値が大きいところです。判断に迷う場合は、税理士や独立系FPへの相談をおすすめします。
やること② 年金を「見える化」する
定年後の家計の柱は、なんといっても公的年金です。ところが、「自分が何歳からいくらもらえるか」を即答できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
ねんきんネットで試算する
私は「ねんきんネット」に登録して、受給見込み額を確認しました。誕生月に届く「ねんきん定期便」でも確認できますが、ねんきんネットなら働き方を変えた場合のシミュレーションもできるので便利です。
確認しておきたいのは次の3点です。
- 65歳から受け取れる年金の見込み額
- 60歳以降も働いた場合、年金額がどう変わるか
- 配偶者の年金額(世帯としていくらになるか)
繰上げ受給は「取り消せない」
年金は原則65歳からですが、60歳まで繰り上げて受け取ることもできます。私も「60歳からもらえるなら、それもアリかな」と一度は考えました。
ただし、調べてみて慎重になりました。繰上げ受給は一度選択すると取り消せず、減額された年金額が生涯続く仕組みだからです。
目先の安心と引き換えに、長生きした場合の受取総額が減る可能性がある。これは家計経営でいえば、将来の売上を割り引いて前倒しする判断です。安易に決めず、健康状態・他の収入・家族の状況を踏まえて、時間をかけて検討すべきだと感じています。
やること③ 生活費を「年金で暮らせる水準」に近づけておく
ここが、私がいちばん大事だと考えているところです。
退職してから生活レベルは下げられない
よく言われることですが、生活レベルを上げるのは簡単でも、下げるのは本当に難しいものです。
退職した瞬間に「今日から生活費を3割カット」なんて、まず続きません。だからこそ、収入があるうちに、少しずつ支出をダウンサイジングしておくのが現実的だと考えました。
わが家の進め方
わが家では、【家計は経営である】の記事でご紹介した「4つの袋」の家計管理をベースに、こんなステップで進めています。
- ねんきんネットで年金収入の見込み額を確認する
- 家計簿から現在の月間支出を把握する
- その差額(ギャップ)を確認する
- 固定費から順に、4年かけて少しずつギャップを埋めていく
ポイントは「4年かけて」というところです。急激な節約は続きません。ゆるく、長く、少しずつ。28年家計簿を続けてきた経験から、これがいちばん確実だと思っています。
やること④ 固定費・保険の「最終見直し」
50代後半は、保険や固定費を見直す絶好のタイミングでもあります。
子育て期の保険は「卒業」を検討
わが家は3人の子供がすでに独立しました。子供が小さい頃に必要だった大きな死亡保障は、今のわが家にはもう過剰かもしれない――そう考えて、保障内容の整理を進めています。
ライフステージが変われば、必要な保障も変わります。「入ったときのまま」になっている保険があれば、定年前に一度棚卸しすることをおすすめします。
ただし、保険の見直しは健康状態によって再加入が難しくなるケースもあります。解約を先に決めるのではなく、全体を見てから順番に判断することが大切です。迷う場合は、特定の保険会社に偏らない独立系FPへの相談が安心です。
通信費・サブスクの整理
通信費は格安SIM・サブブランドへの切り替えで大きく下げられます(わが家はpovo2.0を利用中)。また、いつの間にか増えたサブスクリプションの整理も、退職後の固定費を軽くする効果があります。
やること⑤ 退職後の「収入の入り口」を準備しておく
お金の整理と同じくらい大事なのが、退職後の働き方・収入源の準備です。
「完全リタイア」だけが選択肢ではない
年金受給までの期間、収入がゼロになるのはやはり不安です。私は、退職後も小さくてもいいから収入の入り口を持っておくことが、家計にも心の健康にも効くと考えています。
- 再雇用・パートタイムで働き続ける
- これまでの経験を活かした小さな仕事
- 趣味や得意分野を活かした副収入
大きく稼ぐ必要はありません。月数万円の収入でも、年金生活の家計には大きな支えになります。
現役のうちに「種まき」を
退職してから「さて何をしよう」では、軌道に乗るまで時間がかかります。私自身、現役のうちにできる範囲で準備を進めています。
ここは別の記事で詳しく書く予定ですが、「退職後にやりたいこと」を今のうちに小さく試しておくことが、4年間でできるいちばんの投資かもしれません。
まとめ:定年準備は「お金」と「暮らし」の両輪で
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 収入の変化は60歳より前に始まる。準備は56歳からでも早くない
- まず定年までのタイムラインを1枚の表にする
- 退職金は金額と受け取り方(税金)を事前に確認する
- 年金はねんきんネットで見える化。繰上げ受給は慎重に
- 生活費は4年かけて「年金で暮らせる水準」に近づける
- 保険・固定費はライフステージに合わせて最終見直し
- 退職後の収入の入り口を、現役のうちに小さく準備する
定年準備というと「お金の話」と思われがちですが、実際にやってみると、「退職後にどう暮らしたいか」を考えることそのものでした。
会社員人生の終盤は、家庭の経営でいえば「次の事業フェーズへの移行期」。慌てず、ゆるく、長く。残り4年、私も一つずつ準備を進めていきます。
この記事が、同じように定年を意識し始めた方の参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
⚠️ 改めて:本記事の免責について 本記事は著者個人の体験と考え方をまとめたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や、効果を保証するものではありません。退職金・年金・税務・保険などの制度は変更される場合があります。具体的な判断は、ご自身の状況と最新の制度を必ず確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・税理士・独立系FPなどの専門家にご相談ください。
著者:あくあ 3級FP技能士/28年勤続のサラリーマン/妻と3人の子供・母との同居中
ブログ「家庭の経営」では、わが家の暮らしや家計管理の試行錯誤を、ゆるく綴っています。


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