こんにちは。ブログ「家庭の経営」を運営しているあくあ(3級FP技能士)です。
前回の記事【56歳からの定年準備】では、定年までのタイムラインを描くことから始める「お金の整理」をご紹介しました。
今回はその中でも、多くのサラリーマンにとって最初の試練となる**「50代後半の収入減」**にどう備えるか、というテーマです。
私自身、58歳で給与制度が変わり、収入が下がる予定です。つまりこの記事は、「収入減の2年前」を生きている当事者のリアルタイムの記録でもあります。
⚠️ 本記事について(免責事項) 本記事は、著者個人の体験と考え方をまとめたものであり、特定の金融商品・サービスを推奨するものではありません。役職定年・再雇用・賃金制度・雇用保険の給付などは、勤務先や個人の状況、最新の法制度によって大きく異なります。具体的な判断は、ご自身の会社の規程と最新の制度を必ず確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・税理士・独立系FPなどの専門家にご相談ください。
「給料が下がる日」は、ある日突然やってくる…わけではない
50代後半の収入減は、宝くじと違って事前に予告されているイベントです。
多くの会社には、こんな制度があります。
- 役職定年(55歳前後で役職を外れ、給与が下がる)
- 賃金制度の変更(50代後半から賃金カーブが下がる設計)
- 再雇用制度(定年後、嘱託などの形で雇用条件が変わる)
下がることがわかっているなら、打てる手はたくさんあります。逆に、何も知らずにその日を迎えると、生活水準を急に下げられず、貯蓄を取り崩す生活に陥りがちです。
家計経営の視点でいえば、これは「売上減少が確定している会社」と同じ。減収が来る前の今こそ、経営改善のしどころです。
やること① 「いくら下がるのか」を手取りで把握する
最初の一歩は、敵の正体を知ることです。
額面ではなく「手取り」で考える
会社から「給与は○割になります」と説明されても、それは額面の話。実際の生活に効いてくるのは手取り額です。
- 給与が下がれば、社会保険料や税金も変わる
- ボーナスの扱いが変わる場合もある(再雇用後はボーナスなし、というケースも)
人事に確認できるなら、**「手取りベースでいくらになりそうか」**を試算しておきましょう。私もまず、就業規則と賃金規程を読み込むところから始めました。
「月いくらのギャップが生まれるか」を1つの数字にする
試算ができたら、答えはシンプルな1つの数字になります。
「収入減後の手取り」-「現在の月間支出」= 毎月のギャップ
このギャップがプラスなら一安心。マイナスなら、その金額がこれから2年で埋めるべき目標額です。漠然とした不安が、「月○万円をどうするか」という具体的な課題に変わります。
やること② 大きな支出は「収入が高いうち」に前倒しする
ここは、私が特に意識して進めていることです。
収入減後に大型出費が来るのが、いちばん苦しい
収入が下がった後に、家の修繕や車の買い替えなどの大型出費が重なると、家計は一気に苦しくなります。
そこで、いずれ必要になることが見えている大きな支出は、収入が高い今のうちに計画的に済ませておくという考え方です。
- 家の修繕・リフォーム(外壁・屋根・水回りなど)
- 家電の買い替え(寿命が近いもの)
- 車の乗り換え・大きなメンテナンス
- 歯の治療など、先送りしがちな自分のメンテナンス
ただし「駆け込み浪費」には注意
注意したいのは、これが**「今のうちに買っちゃおう」という浪費の言い訳にならないこと**です。
判断基準はシンプルで、**「収入が下がった後でも、どうせ必要になる支出か?」**です。答えがイエスなら前倒しを検討、ノーならそれはただの買い物です。わが家でも、リストを作って夫婦で「これは必要?」と確認しながら進めています。
やること③ 固定費は「収入が下がる前」に軽くしておく
【家計は経営である】の記事でも書きましたが、固定費の見直しは一度やれば効果がずっと続く、家計改善のいちばんの優等生です。
収入減への備えとしても、これに勝るものはありません。
見直しの優先順位(わが家の場合)
- 通信費:格安SIM・サブブランドへ(わが家はpovo2.0。手続きは1時間程度)
- 保険:子供の独立に合わせて死亡保障を整理(健康状態によっては見直しが難しくなるため、判断は慎重に)
- サブスク:「最後に使ったのはいつ?」で棚卸し
- 光熱費:契約プランの確認、暖房の使い方の工夫
なぜ「下がる前」にやるのか
理由は2つあります。
1つは、見直し効果を貯蓄に回せる期間が長くなるから。月1万円の固定費削減を2年前倒しすれば、それだけで24万円の差になります。
もう1つは、心の余裕があるうちの方が、冷静に判断できるから。収入が減ってから慌てて見直すと、「とにかく安く」と焦って、必要な保障まで削ってしまいがちです。
やること④ 「ボーナス頼み」の家計から卒業する
50代後半の収入減で、意外と大きいのがボーナスの減少・消滅です。
ボーナス補填型の家計は危ない
毎月の家計が赤字で、ボーナスで補填して年間収支を合わせる――このタイプの家計は、再雇用でボーナスがなくなった瞬間に破綻します。
わが家でも、収入減に備えて**「月給だけで毎月の家計が回る状態」**を目標にしています。具体的には:
- 固定費・生活費を月給の範囲内に収める
- ボーナスは「ないもの」として、全額を貯蓄・特別支出(前倒し支出)へ
現役のうちにこの体質に変えておけば、ボーナスが減っても日常の家計はびくともしません。
やること⑤ 公的な支援制度を「知っておく」
60歳以降に賃金が大きく下がって働き続ける場合、雇用保険から高年齢雇用継続給付という給付金が受けられる場合があります。
ただし、この制度は給付率の引き下げや見直しが進められている制度です。受給には細かい条件もあり、年金との調整が発生するケースもあります。
ここで大事なのは、金額をあてにすることではなく、「そういう制度がある」と知っておくこと。実際に対象になりそうなタイミングで、ハローワークや会社の人事、社会保険労務士に最新の制度内容を確認するようにしてください。
収入減は「マイナスだけ」ではない
最後に、心構えの話を少しだけ。
収入が下がるのは、正直なところ気持ちのいい話ではありません。長年働いてきて給料が下がるのは、複雑な気持ちにもなります。
でも、見方を変えると、50代後半からの働き方の変化は**「時間」という資産が増えるタイミング**でもあります。
- 責任が軽くなり、心の余裕が生まれる
- 退職後の生活の「予行演習」ができる
- 新しいことを始める時間が持てる
私はこの期間を、「会社員」から「自分の人生の経営者」への移行期間だと捉えることにしました。減るものを数えるより、増えるもの(時間・自由)をどう活かすか。家計の準備と同じくらい、この心の準備も大切だと感じています。
まとめ:収入減は「予告されたイベント」。だから備えられる
この記事の要点を振り返ります。
- 50代後半の収入減は事前にわかっているイベント。知れば備えられる
- まず**「手取りでいくら下がるか」「月のギャップはいくらか」**を数字にする
- 大型出費は収入が高いうちに計画的に前倒し(ただし駆け込み浪費はNG)
- 固定費は下がる前に見直す。効果が長く続き、冷静に判断できる
- ボーナス頼みの家計から卒業し、月給だけで回る体質へ
- 高年齢雇用継続給付などの公的制度は「ある」と知っておき、最新情報は専門機関で確認
- 収入減は時間が増えるタイミングでもある。移行期間として前向きに
収入が下がる前の数年間は、家計経営における「構造改革のチャンス」です。私もあと2年、夫婦で相談しながら、一つずつ体質改善を進めていきます。
この記事が、同じ立場の方の参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
⚠️ 改めて:本記事の免責について 本記事は著者個人の体験と考え方をまとめたものであり、特定の金融商品・サービスの推奨や、効果を保証するものではありません。役職定年・再雇用・賃金制度・雇用保険の給付制度などは、勤務先の規程や法改正により変更される場合があります。具体的な判断は、ご自身の状況と最新の制度を必ず確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・税理士・独立系FPなどの専門家にご相談ください。
著者:あくあ 3級FP技能士/28年勤続のサラリーマン/妻と3人の子供・母との同居中
ブログ「家庭の経営」では、わが家の暮らしや家計管理の試行錯誤を、ゆるく綴っています。


コメント